大腿骨頚部/転子部骨折
概要(疫学、症状)
大腿骨が脚の根本で折れる骨折。80歳前後の高齢者に多く、日本では年間約15万人に起こっています。この部位を骨折すると歩行が困難となり、また股関節の機能が低下するためにしゃがむ、またぐなどの動作が困難となります。この骨折が原因で寝たきり、要介護となる人も少なくありません。
原因
骨粗鬆症を罹患している人の転倒が大多数を占めます。
検査・診断
主にX線検査により骨折の有無、および転位による変形の程度が診断されます。
治療
頚部骨折で歩行再獲得を目指す場合、ほぼ手術治療が選択されます。転子部骨折で転位のある場合は、こちらもほぼ手術治療が選択されます。術後の状態が安定していれば、早期から歩行練習のリハビリを開始します。保存的治療、もしくは術後安定性不良の場合は段階的な荷重練習のリハビリを開始します。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いて、急性期の疼痛による不快を予防します。
リハビリテーション(非手術の場合)
骨折部の安定性に応じて、段階的に荷重練習を開始します。歩行の獲得後は、またぎ・しゃがみといった応用動作の練習を行います。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
リハビリテーション(手術後紹介の場合)
術後早期から歩行練習を開始する。1-2週以内に生活レベルでの移動を獲得し、またぎ・しゃがみなどの応用動作の練習を行います。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
受傷早期から生活で受傷手を使っていると、骨折がずれてしまうことがあります。特に受傷から3週間は受傷手を使わず、安静を中心とした生活を心がけてください。